九州大学 エネルギー基盤技術国際教育研究センター

2017.9.5(火) 特別講演会のお知らせ 講師:岸本昭先生、東正樹先生

開催案内

エネルギー基盤技術国際教育研究センター特別講演会

主催:エネルギー基盤技術国際教育研究センター
共催:九州大学大学院総合理工学府 物質理工学専攻
日時:2017年9月5日(火) 15:00~17:00
場所:筑紫地区総理工本館1階 総理工共通第一講義室
 
15:00~16:00「超塑性を利用した固相発泡セラミックスの作製」
講師:岸本 昭 教授
(岡山大学自然科学研究科 応用化学専攻)
我々は耐火物として知られているジルコニアセラミックスを焼結後、超塑性変形を利用して焼結温度付近で、発泡体作製が可能であることを見出し、これを超塑性発泡法と名付けた。我々の方法では、これまでの方法では不可能であったパーコレーション限界を超える体積分率の閉気孔をセラミックス中に導入できる可能性が示されつつあり、これまでは開気孔のみが利用されてきた多孔質セラミックスに新たな用途を与えると期待される。超塑性発泡法を用いると緻密なマトリックス中に閉気孔を選択的に導入することが可能となる。このためガス、音、熱などの遮断性が飛躍的に向上する。さらに、マトリックスの完全な緻密化後に気孔を導入しているため、気孔率増加に伴う強度低下の抑制も実証している。本講演では、高強度高温断熱材、雰囲気の影響を受けにくい機能性材料・新規機能材料、気孔や突起の簡易形成などの研究結果を紹介する。
 
16:00~17:00「ビスマス・鉛ペロブスカイトの多彩な電荷分布と機能」
講師:東 正樹 教授
(東京工業大学科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所)
BiFeO3やPbTiO3に見られるように、ビスマス・鉛は6s2孤立電子対と共有結合性の強いBi(Pb)-O結合の働きで、極性構造を安定化します。また、Bi3+・Pb2+ (6s2)とBi5+・Pb4+ (6s0)が安定で、6s1のBi4+・ Pb3+を取らない「バレンススキッパー」の特徴も有します。こうした特性のため、Aサイトにビスマス・鉛を、Bサイトに3d遷移金属を配したペロブスカイト型酸化物は、磁性と強誘電性の共存や、外場によるA-Bサイト間電荷移動などの特異な現象を示します。本講演では、BiFe1-xCoxO3における分極回転、強誘電性・弱強磁性の共存と電場による磁化反転、BiNiO3における電荷移動誘起巨大負熱膨張、鉛ペロブスカイトにおける系統的な電荷分布変化についてお話します。
 

問い合わせ・連絡先:

九州大学 エネルギー基盤技術国際教育研究センター長
同 大学院総合理工学研究院 物質科学部門 教授 大瀧 倫卓
E-mail: ohtaki(a)kyudai.jp
TEL: 092-583-7947

update 2017.8.8